ルーベンスってナニ?alei さんやsai さんのような記事は書けない!というか、あのルーベンスが素敵に見える。しかも、fuーさんの「パリスの審判」をみると、なんだか別にルーベンスって醜い体型じゃないじゃん、とまで錯覚しちゃうよ。
でも、ウサギ穴さんが「またまた騙される」と記事にあるように、彼らのオリジナルに近い作品画像は美し過ぎ。本当にそんなに美しいの?と、図書館に行って、いちばんいいのを選んだ。
やっぱりポスター画像とは違うね。一番上が豊穣、穀物の女神ケレスでプロセルピナのお母様ですから、二番目、三番目の若い二人のニンフよりも大人顔。
ルーベンスのプラド美術館の「ケレスと二人のニンフ」(1624年)です。マドリッドのアルカサル宮殿に掛かっていたそう。猿、鸚鵡、角に果実、籠にも果実。ニンフの一人は一人だけ地上の女性のように服を着ていて、もう一人はトウモロコシ。
女神ケレスのアトリビュートは穀物、果実や麦の穂の冠、そして鎌。
娘のプロセルピナはヴィーナスの意地悪で、冥界の王の妃となってしまう。そのプロセルピナは、やっぱりヴィーナスにいじめられるプシュケを、冥界の妃になってから助けてあげることになる。
ダンテ・ゲイブリエル・ロセッティ プロセルピナ
モーリス・ドニ クピドとプシュケ の物語 連作
バーン・ジョーンズ クピドとプシュケ (ケレスも描かれてる)
こちらのケレスは麦の穂の冠をつけてます。手に持つ角には花や果実。この角については解説がないんですから。→(わかりました。記事最後にです。)
作者不詳の「デメテル(ケレス)の賛歌」には、幸いなるかな、大地に住まう人間の中でこの秘儀を目にした者よ。参人を許されず、祭儀にあずかれぬ者が、死して後、闇におおわれた冥界で同じ定めにあずかるべくもない。」(逸見喜一郎、片山英男訳)では、エレウシスの秘儀を指してます。
決してその秘儀をもらすことはできなかったようで、断片的な説しかありません。ペルセポネー(プロセルピナ)の黄泉(冥界)からの一時的な帰還にもこの秘儀が関係しているよう。つまり死の国からの甦り?そう考えると角は骨を現して、死と再生を意味するかと。
ケレスの隣には牧神パン。パンはとっても優しく知能も高いサテュロスなんだけど、ニンフのシュリンクスを好きになって彼女を追いかけるんだけど、彼女は「葦」に変身してしまう。
ルーベンス&ブリューゲル 「パンとシュリンクス」
ヴィーナスはミネルヴァとアテナを尊敬するケレスの娘プロセルピナに意地悪をしているけど、ヴィーナスの絵画形式にはケレス、バッカスがいないと凍えてしまうらしい。
凍えるヴィーナスの絵画形式(記事の一番さいご)
愛と美の女神アプロディーテー ヴィーナスの誕生
ルーベンスの各作品記事にリンクしているのがXAI 「ルーベンス リヒテンシュタイン美術館」からです。リヒテンシュタイン美術館のルーベンスといったら連作「執政官デキウス・ムスの死と勝利」がすごい。鏡のヴィーナスも所蔵されているけど。
記事を書きかげてから、あっと思ったんだけれども、日本にだってルーベンスはあり。独立行政法人の国立美術館の1枚に、「Abundance(アバンダンス)」(1630)が所蔵されてる。アバンダンスって豊かとか豊富とかいう意味なんだですけど、女神ケレスと同じ角を持ってる。
bau さんのロンドン・ナショナル・ギャラリーにある「マルスからパークス(パクス)を守るミネルヴァ (戦争と平和)」の作品解説で、サテュロスが持っている角が「豊穣の角(コルヌコピア)」となっていた。調べてみたら羊の角らしいのです。ゼウスの育ての親アマルテイア、ゼウス、ヘラクレスなど、このコルヌコピアにまつわる話は多いけど。
「Abundance(アバンダンス)」を「豊穣」と邦題にすると、女神ケレスを描いている気がする。国立美術館のHPには解説はないけれど、プラド美術館にある「女神ケレス」のドレスと同じ赤を着せていて、wannko的にこれは「女神ケレス」だと、一人で納得しました。
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