.「切られた2本のひまわり」 1887年
連作した「ひまわり」の中で、ゴッホ自身もこの作品が好きで、弟のテオに贈ったロンドンナショナルギャラリーの「ひまわり(1888年作)」より好きです。たとえば贋作、あるいはゴッホが描いていなくとも。実はこの8月に、またゴッホの贋作が発見されたそうなんです。
ゴッホ自身、優劣が激しい作品があると聞いていますが、かの「(壷の)ひまわり」だけは、花瓶のアイリスや芍薬となんだか違う感じを個人的に受けてしまいます。
楓さんのblogにマネやゴッホの芍薬の絵を集めた記事がありました。アイリスなどもそうですが、こぼれるような花や下向きの花を添えたり、広がる花を描いたりしています。このひまわりは、同じように花瓶に活けられているのですが、何かたりない。芍薬にもひとつ、この「ひまわり」に似た構図があるんですが、この芍薬の花は全て下を向いています。それが優美さをかもし出しているのです。「百花繚乱 芍薬 Peonies」からご覧になってください。
また連作のひまわりは、全部で12枚だとか13枚だとか、14枚だとかまちまちです。
ゴッホの「Triptych(三幅対)」をご存知ですか?「ラ・ベルスーズ」を中心に、左右が壷にいけたヒマワリの絵なんですね。右に来る作品は、12本の壷のひまわりを所蔵しているノイエ・ピナコテーク美術館のものか、フィラデルフィア美術館のものです。
aleiさんの記事も面白い。
フェイク ゴッホのある肖像画と三幅対の原則
左が15本のゴッホ美術館所蔵の「ひまわり」で、右が12本のノイエ・ピナコテーク美術館の「ひまわり」なんです。つまり、同じ花瓶に活けられているアイリスや芍薬と違う印象を受けていたのは、この「トリプテイック」によって、さらに魅力が増すからなんですね。
まったく知らなかったのですが、この法則には無関係の展示もあるようです。
参考サイト
・Fuji-tv ART NET
・壷のひまわり(2)<ゴッホの考えた「三幅対」について>
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